ドリームにこそバリューがある 〜 デザインマインド経営考 〜

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『ありきたり』を作り出しているのは『思い込み』なのかも。
 JUGEMテーマ:ビジネス


まずはお知らせから。前回のエントリーと今回のエントリーの間に、ひょんなことから、アイティメディア社のウェブサイト『ビジネスメディア誠』の中にある『誠ブログ』をでも書き始めることになりました。このブログと同じエントリーを転載することはしない(つもり。。)ですので、宜しければこちらも読んでいただけると嬉しいです。

 
で、その誠ブログの2回目のエントリーとして、文房具をネタに商品開発での切り口について書いていたら、同じようなことをクルマでも思い出しました。ヨーロッパ勢は『小さな高級車』ともいえる市場を作ることができたのに、日本車は実用車やエントリーカーの市場の枠から出れないなぁと。


◆元々MINIはプレミアムではなかったよね?

BMW MINIのシリーズ拡大化、小さなアウディとなるA1の市場投入など、ヨーロッパ勢の高級車メーカーは、高品質やプレミアムを売りとする小型車の市場を順調に拡大させることにひとまず成功している様子が伺えます。背景には自動車メーカー全体に環境対応が求められ、各メーカーともに平均燃費の向上やCo2の平均排出量の削減を実現するには、小型車をラインナップに持たざるを得ないという背景が後押ししているのは間違いありません。質感の高さとクルマの大小は関係ないとワタシは思っているので、こういった選択肢が増える状況は個人的にも好ましいです。



しかし、小型車が得意なはずの日本車で『小さな高級車(高品質車)』という市場が作れなかったのは、残念な感じがあるのも確か。
理由は色々あるでしょうけれど、そういうクルマが受け入れられる市場がないという『思い込み』があったように感じます。

自分が自動車メーカーに在籍していた時のことを思い返してみると、『小さな高級車(高品質車)』というアイデアはデザインの部署や企画部署など、社内のどこかでは種火のように存在していたという印象はあります。しかし残念ながらデザインや企画部門の外へ『いいね!』が燃え拡がったものはありませんでした。

ビジネスとして見ると、高級車ユーザーを自社の顧客として取り込む術を持っていなかったというのもあるでしょう。でもそれ以上に、質感を訴求する小さなクルマの市場性を、皆がどこかで信じていなかったという面があるのでは、と当時から何となく感じていました。コンパクトカーを、『小さなボデーに5人乗れて経済性を追求するもの』『上位車種へステップアップしてもらうための、エントリーカー』『女性に“自分専用車”として購入してもらうことを訴求すべきクルマ』・・・etc. という範囲に自分たちで枠に収めてしまっているような感じ。

オジサンの年代になってきた自分自身が購入対象として、『いい大人のオトコ“でも”、運転していてもサマになる小型車』、という眼で市場を見渡した時に、残念ながらほとんどの日本車のコンパクトカーには、そんなコンセプトは微塵もないと感じるのが正直なところです。実際に街で見かけるコンパクトカーもメインターゲット層らしき女性であることが多いですしね。


そんな一方で、街を走っているMINI(アウディA1は市場投入されたばかりなので、購入層の特徴を感じることができないので)は、意外と男性比率が高く感じます。元々高級車カテゴリーをビジネスの対象としているBMWグループのブランドだから、コンパクトカーであるMINIも、『小さな高級車(高品質車)』(彼らが言うところのプレミアムカー)として市場から受け入れられたと見ることはできます。

しかし、ブランドの源流を辿るとMINIって、高級車でもプレミアムカーでもなかった訳で。。日本で軽自動車が生まれた時と同じように、大人が4人乗れて移動できる最小限のクルマとして、イギリスのメーカーが世の中に送り出したのが始まりですものね。そのMINIの最後の製造者であるローバーグループを、90年代にBMWが傘下に収めたことが現在のプレミアム路線になっている訳ですが、そこへ至るまでにはBMWも『小さな高級車(高品質車)』という市場に、確信があった訳ではなかったのではないかと思います。


<2001 BMW MINI>            <OLD MINI>


そう思うのは、94年にローバーを手に入れてから、2001年にBMWとしてのMINIを世の中に送り出すまでの数年の間、いくつかのモーターショーやクルマのイベントにおいて、さまざまに方向性の異なるコンセプトカーを出していたことが印象に残っているからです。MINIの名前以外はフリーにしたかのような、様々なバリエーションのコンセプトカーが当時のデザイン雑誌などで紹介される度に、コンセプトの方向性や、オールドMINIのファン顧客の反応も含めた市場性、商品としての落としどころなどを探っているんだなぁと雑誌を眺めていました。

<MINI CONCEPT>

そして2001年の「ニューMINI」の市場投入。この段階でも、BMWは確信はなかったのかもしれません。ハードウェアとしては『バイエルンのエンジン屋』のクルマにはもの足りないものでしたから。

でもそれ以外の部分、クルマのスタイリングに始まり、PRや広告、店舗や登場時点からユーザーを巻き込んだイベントなど遊びの要素を入れたマーケティング活動といったものを戦略的に行う中で、彼らにとっても新しい市場を獲得できる確信を得たのではないでしょうか。確かアメリカの何かの雑誌だったかでも、『クルマとしては完全ではないけれど、ライフスタイルを楽しむガジェットとしては最高』みたいな紹介をしていたものがあった記憶があります。現在でもFacebookといったソーシャルメディアマーケティングに熱心なのは、以前に書いたこのエントリーの通り。

こうやって振り返ってみると、BMWだから『小さな高級車(高品質車)』が成功したというよりも、手探りながらも行動に移して続けたことが、結果的に『やったもん勝ち』に辿り着いたようにも思えてくるんですよねえ。やったか、やらなかったかの違い。


◆『思い込み』がないか疑った方がいいのかも

MINIと日本のコンパクトカー比較の話しではないけれど、我々は見慣れたものや自分が馴染んだ環境を前にすると、「こういうもの」という意識がどこかに芽生えてしまいます、単なる『思い込み』に過ぎないかもしれないのに。これにより、良いアイデアに化けるはずだった芽を見逃すだけでなく、自分で摘んでしまっていることが、もしかしたらあるのかもしれません。その結果、課題解決へのアイデアや最終的な商品が『ありきたり』に陥ってしまう。。。

それを避けるには、言い古された言葉だけれど『常識を一度疑ってみる』を意識的にやるしかないのかもしれませんね。

ワタシも気を付けなきゃ(笑)



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